製造業 作業手順書の作り方|作業手順書を現場で使える形に整えるの進め方

製品ごとの材料費は把握していても、「実際にどの製品で利益が残っているのか分からない」「加工時間や手作業まで含めると原価を把握できている自信がない」と感じる原価管理担当者もいるのではないでしょうか。
製造業の原価管理では、材料費だけを集計しても、現場で実際に発生しているコストの全体像を捉えにくい場合があります。加工にかかった時間、手作業、材料の使い方、不良やロスなど、現場の実績と原価を結び付けて考えることが重要です。
ただし、最初からすべての数字を集めようとすると、現場の入力項目が増え、原価管理そのものが複雑になりやすくなります。まずは「何の原価を確認したいのか」「どの工程を改善したいのか」を明確にしたうえで、必要なデータを整理することが大切です。
この記事では、製造業の原価管理を進めるために、現場の実績をどのように整理し、原価の見える化から改善へつなげていくのかを具体的に解説します。
原価管理は材料費だけでなく現場の実績から考える
製造業の原価管理を進める際、最初に確認したいのが「現在、何を原価として見ているのか」です。
材料の購入価格は比較的把握しやすい一方、製品を加工するためにどれだけ時間がかかったのか、後工程でどれだけ手作業が発生したのか、不良や材料ロスがどこで生じているのかといった情報は、現場の記録と結び付いていないと把握しにくくなります。
株式会社ニューピークでは「原価の見える化」として、材料費・加工費・不良率を整理し、赤字要因の把握、不良やロスの分析、改善優先順位の明確化につなげる考え方を紹介しています。
実際の導入事例でも、PDAから入力された生産数量や作業時間を原価管理のデータとして蓄積し、売価に対して実際の原価がどの程度なのかを確認するために活用しています。材料費だけでなく、加工や手作業にかかった時間も見ることで、工程ごとの状況を確認しやすくなったと紹介されています。
原価管理を始めるときは、「原価計算の仕組みを複雑にすること」よりも、「現在見えていない現場の実績は何か」を確認することが出発点になります。
原価の現状をチェックシートで整理する
「原価を見直したいが、どこから確認すればよいか分からない」という場合は、現在把握できている情報と、把握できていない情報を整理すると進めやすくなります。
株式会社ニューピークでは、製造現場の原価について「どこで利益が減っているのか」「どこにムダやロスがあるのか」を整理するための原価チェックシートを公開しています。
製造業の原価管理を進めるときに整理したい4つの情報
原価の見える化を進める際は、利用できるデータを無条件に増やすのではなく、改善判断に必要な情報を選ぶことが重要です。
特に製造現場では、次の4つの視点から現在の記録方法を確認すると、原価管理に必要な情報を整理しやすくなります。
生産数量を正しく残す
どれだけ材料や作業時間を使ったとしても、何個生産したのかが分からなければ、製品単位の状況を考えにくくなります。
そのため、まずは生産数量を継続して記録できる状態をつくります。計画上の数量だけでなく、実際の生産実績を残すことが重要です。
株式会社ニューピークの導入事例でも、現場で入力された数量と作業時間を原価管理のデータとして蓄積しています。
加工時間や手作業の時間を見る
材料費に問題がないように見える製品でも、加工工程に時間がかかっている場合は、原価を考えるうえで確認すべき対象になります。
機械による加工だけでなく、その後に人による修正や仕上げ作業が発生している場合は、その時間も現場の実績として把握することが重要です。
実際の導入事例では、作業時間を数字として残すことによって、どの工程にどれだけ時間がかかっているのかを確認しやすくなったと紹介されています。
材料の使い方まで確認する
原価改善では、材料そのものの価格だけを見るのではなく、材料をどのように使用しているのかという視点もあります。
株式会社ニューピークの事例では、ある原反から取れる部品数を増やす改善が行われています。材料そのものの価格が変わらなくても、同じ材料からより多くの部品を取れるようになれば、製品1個あたりの材料コストを見直すことにつながります。
このように、原価管理では購買価格だけでなく、現場で材料がどのように使われているかまで確認することが改善のヒントになります。
不良やロスを改善対象として整理する
不良や材料ロスが発生していても、その状態が数字として整理されていなければ、どこから改善するべきか判断しにくくなります。
株式会社ニューピークでも、原価の見える化における項目として、不良率の整理や不良・ロスの分析を挙げています。
大切なのは、すべての問題を同時に解決することではありません。原価に影響している要因を見える状態にし、優先して確認する工程を絞り込むことです。
現場データから原価改善へつなげる進め方
原価管理では、数字を集めた段階で終わらせず、「数字を見て何を変えるのか」まで考えることが重要です。
現場の生産実績が蓄積されてきたら、製品や工程ごとに状況を確認し、改善が必要な場所を絞り込みます。
株式会社ニューピークの導入事例では、原価データを確認する中で、ある加工工程が毎回赤字になっていることが数字として確認されました。それをきっかけに分析を行い、技術チームが金型や工法を見直しています。
その結果として、プレス加工時間は1個あたり0.8秒から0.5秒、後工程の手作業は1個あたり3.73秒から3秒へ短縮されたことが紹介されています。
ここで重要なのは、「加工時間を短くすればよい」と単純化することではありません。原価データによって改善対象を特定し、実際の工程を確認したうえで、技術的な見直しを行っている点です。
原価管理の目的は数字を集計することではなく、現場のどこを確認し、どこから改善するべきかを判断できる状態をつくることです。
原価の数字が見えれば、すべての問題が自動的に解決するわけではありません。ただし、これまで感覚で捉えていた課題を数字として確認できれば、「まずどこを見るか」を整理する材料になります。
原価管理を実践するなら「記録→確認→改善」で進める
原価管理を実際の改善活動へつなげるには、現場データを継続して使える仕組みが必要です。
難しい管理方法から始めるよりも、「記録する」「確認する」「改善する」という流れを一つずつ整えると、現場の業務と原価管理を結び付けやすくなります。
最初に、現在紙や表計算ソフトなどへ記録している生産実績を確認します。数量、加工時間、作業時間など、原価を確認するうえで必要な情報が残っているかを整理します。
次に、蓄積した実績から、製品や工程ごとの状態を確認します。想定していたより時間がかかっている工程や、赤字が続いている製品など、改善対象となる場所を絞り込みます。
改善対象が見つかったら、実際の現場を確認します。加工方法に原因があるのか、手作業が多いのか、材料の使い方に見直せる部分があるのかを検討します。
改善を実施した後は、変更前と変更後の実績を確認します。数字として変化を確認できれば、その改善を続けるのか、別の課題へ取り組むのかを考えやすくなります。
株式会社ニューピークの事例でも、データ化されたことで原価の確認、加工時間の改善、材料の使い方の見直し、過去履歴の検索、管理側による状況把握がしやすくなったことが紹介されています。
原価データを改善へつなげた現場事例を見る
原価管理をこれから進める場合、「システムを導入すると何が変わるのか」だけでなく、現場でどのように記録し、どの数字をきっかけに改善したのかを確認することも参考になります。
株式会社ニューピークでは、PDAを利用した生産実績の入力から、原価の確認、加工時間や材料の使い方の改善へつなげた日本スワコー株式会社の事例を公開しています。
原価管理を一部門だけの数字にしない
原価管理担当者だけが原価を確認していても、実際の改善にはつながりにくい場合があります。
加工時間を変えるには製造現場との連携が必要です。材料の使い方を見直す場合には、工程や製品仕様を理解している担当者との確認も必要になります。
原価管理担当者の役割は、数字を計算するだけではありません。「どこで想定との差が発生しているのか」「どの工程を詳しく確認する必要があるのか」を整理し、現場と共有できる状態をつくることも重要です。
株式会社ニューピークの導入事例では、紙で記録していたときには、どの工程に時間がかかっているのかを上司へ伝えにくい場面があった一方、データ化によって管理側が現場の状況に気づきやすくなったと紹介されています。
原価情報を経理や管理部門だけの数字にせず、現場改善に使える情報として共有することで、改善対象について話し合いやすい環境をつくることができます。
製造業の原価管理は「見えていない実績」を整理することから始める
製造業の原価管理を進めるとき、最初から複雑な原価計算や多数の入力項目を用意する必要はありません。
現在把握できている材料費に加え、生産数量、加工時間、手作業、材料の使い方、不良やロスなど、現場で見えていない情報を確認することが出発点です。
現場の実績をデータとして残し、原価を確認する。数字から改善対象を絞り込み、実際の工程を見直す。改善後の数字を再び確認する。この流れをつくることで、原価管理を単なる集計業務から現場改善のための判断材料へつなげやすくなります。
自社の原価管理を見直す場合は、「原価を正確に計算できているか」だけではなく、「どの製品や工程で利益が減っているのかを説明できるか」という視点から現在の管理方法を確認してみてください。
自社の原価管理をどこから改善するか整理する
「材料費は分かるが加工時間まで整理できていない」「原価情報が紙やExcelに分散している」「どの工程から見直せばよいか分からない」といった場合は、現在の課題を整理して優先順位を決めることが重要です。
株式会社ニューピークのオンライン無料相談では、材料費だけでなく加工時間、手作業、不良、ロスまで整理できていない原価管理の課題について相談できます。現在の問題、改善の優先順位、自社に合った進め方を一緒に整理すると案内されています。
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